AREA'01 ART SPACE 201 2001/3/1-3/6

 


 
 

1999年(平成11年)から続けている立体構成の『AREA(領域)』のシリーズ。昨年の個展では、木の球体による造形作品だったが、今回はその球体を使いながら平板を生かした立体感のある作品に仕上げている。会場の3室を使い、それぞれ床面 いっぱいに構成。中でも中央の部屋の展示はシンプルさの中にも立体感があり、スマート。白い床面 にブルーと黒に彩色した平板を垂直に立て、黒い球体も配して会場全体に静的な響きが流れるような洗練された立体造形を作り出している。色彩 のコントラストもスマート。
この部屋の左右の部屋に展示されているのは、言わばボックスアート。高さ150×273四方の平板で作られた箱状の作品がある。大きな箱である。その箱の中をのぞいて見られるように”階段”がある。何があるのか・・・。その中は真っ暗だが、目が慣れるに従って黒い球体がごろごろと山積みされていることが分かる。ある種の不思議さと興味を持たせるところに魅力がある。作者のセンスを感じさせる。体感あるいは実感するアートと言えるかも知れない。

札幌・アートスペース201(中央区山口中央ビル)で6日まで。


中橋 修(なかはし おさむ)さん

「作品はどの方向から見てもいい。見る角度によって変化を感じると思う」。元々は油彩 。1976の初個展は油彩による具象の『ヨーロッパの風景』だった。1981年からパステルによる風景、静物の作品を発表。1994年から『ステージ』のシリーズで、立体や版画の作品に。そして『AREA』に。三岸好太郎美術館の三岸好太郎・節子賞展に油彩 で入選した。『ほおずき会』を主宰しているほか、朝日と西武の文化教室で指導。道教育大学札幌分校特美卒。1948年日高管内浦河町生まれ。札幌市北区北38条西8丁目2-1-10

札幌タイムス・2001年3月6日  記事 五十嵐 恒 氏

*写真下の文字=会場いっぱいに使った立体作品=