AREA'00 ART SPACE 201 2000/2/17-22

 

フロンティアタイムス・2000年2月21日



 床面に大小の木の球体がゴロゴロと転がっている。いずれも真っ黒。その球体と球体の中に入って直(じか)に触れることができる。昨年から続けている=AREA(領域)=のシリーズで”集合と拡散”をテーマにしている。昨年10月の『パソコンワークス99』に次ぐ個展。
 平面、半立体、立体・・・多彩な作品を次々と発表している。今回のは、昨年2月に次ぐ木の球体の”集合と拡散”の構図の作品。手のひらに入るサイズから直径35センチの真っ黒い球体が、一見、無造作に、しかしどこか秩序を保っているかのように転がっている。
 その数170個。それぞれに表情、個性があり、何かを言いたそうな雰囲気である。別 室には別室には平面の作品この中のベニヤ板による『エリア』(100
号)は、小さな球体を自由に差し込んだり、抜いたりしてアートを楽しむことができる。60号のアクリルの作品は、白や赤の空間に円や四角を表現するという極めてシンプルな描き方。床面 の球体の構成とともに親近感を感じさせる内容になっている。

中橋修(なかはし・おさむ)さん

1984年の『ステップ』のシリーズに始まり、『コーナー』『ホウル』『ライン』そして『ステージ』を経て昨年から『エリア』に。昨年の個展では60個の球体をそろえた。「1000個にするのが目標です」。素材はタモを中心にナラ、桜、栗など。チェーンソーで仕上げている。さらに6月は2会場で個展を予定。82年の全道展で奨励賞、朝日カルチャーセンター、西武コミュニティカレッジ、STV文化教室でパステル画を指導。絵画教室『ほおずき会』主宰。道教育大札幌分校特美卒。48年日高管内浦河町生まれ。

 

                    記事  五十嵐 恒 氏