何の役にも立たないから大切   00-1-29

 


 ゲーム機で遊びながら学べるソフトの宣伝をテレビで見たが、なんか間違ってる気がしてならない。遊びながら何かに役立てようなんて、すでに遊びではない。何かに役立てるため友達とつきあってるというのと似たものになる。

 遊びはそれ自体、立派な目的を持った行為なんだから、他に何かを付け加えたり、余計なものを入れる余地も必要もない。専念し、集中して楽しんでこそ遊びになる。結果 として満足感が得られればそれでいいのだ。遊びを手段として考えてはいけない。遊びは創造的な部分が大きくて、途中で変化し発展していくからおもしろいので、最初から具体的な結果 を求め過ぎてはつまらなくなる。とにかく、遊びながら学習するなんてもってのほかだ。欲張ると両方失うことになりかねない。

 学習に対しても偏見があると思う。学習することイコールつまらないと考える人達が遊びと学習を結び付けようとするのであって、新しいことを覚えていくのは、とても刺激的で楽しいもののはずだ。それなのに学習を手段としての役割ばかりを強調するから、しだいに義務になり強制になっていく。そうなれば楽しいはずはない。

 もし、どうしても一緒にしたいなら遊びながら学ぶのでなく、学びながら遊ぶほうがまだましだ。たしかに、学んだ方がいいこと、学ばねばならないことはたくさんあるんだから、楽しく学べる方法を考えてほしい。

 何のためとか、役に立つか、役に立たないかとは考えずに、遊ぶときは遊ぶ学ぶときは学ぶ、その方がずっと得るもの、本当の意味での学ぶものは大きくなる。子供から想像力と集中力を奪ってはならない。

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