「出会い」ピカソ  1975
 
 

バルセロナ駅近くの子供達が狭い路地で遊び老人が日なたぼっこをしてる、そんな下町的雰囲気のなかにピカソ美術館はあった。ここは周りの建物とまったく同時代のものなので見過ごしやすい。一生懸命探したたはずなのに一度は通 り過ぎてしまったくらいだ。ピカソ美術館には幼少の頃から後期に描いた作品まで年代順に展示してあり、その偉大な歴史が容易に理解できる。ピカソの絵は理解できないと言う人がいるがここで作品に触れたら何故理解できなかったがわかるだろう。ここには明らかに天才の匂いがある。アカデミックな技術を通 り越せば新たな領域を開拓するより他に道はない。凡人が凡人の感覚で観ていては理解できなくて当然とも言える。ピカソは自分の世界を切り開くため莫大な数の作品を制作した。その量 は中途半端でない。それだけでも驚異的なわけで一般人の枠をはるかに越えている。
そんな天才であっても周りの環境と建物のせいでピカソがより身近に感じられて嬉しかった。