雪は降る 1987

 

 

人にはそれぞれの感じ方や受け止め方があるものでときには勘違いもある。
今年はどか雪もあったが例年に比べると少ないほうだった。雪かきをする人を見ているといろんなタイプがいる。平気で雪を道路に捨てる人の多さには驚く。道路を雪捨て場と勘違いしてるようだ。悪いことをしてる感覚はまったくなさそうで堂々と張り切ってやっている。よく通 る裏道にはいつも綺麗に除雪されてるところがあって気持ちよく歩いていたがそれまで除雪してる人を見たことはなかった。しかし、つい最近、夜の10時頃、雪降るなか黙々と雪かきをしてる夫婦に出会った。舞い落ちるぼたん雪が外灯に映し出された下で雪かきをしてる光景は映画のワンシーンのように脳裏に焼き付いている。
僕もその夫婦ほどではないが雪かきを楽しみながらけっこうまめにやる。そんなとき、ときどき顔を合わす近所の人に声をかけられた。
「お宅のところは雪が少なくていいですね」
「・・・」