ある日のひとこと

 

 

=そのときどきの、思いついたこと、感じたことを書き留めてます=

 


 

続き。そのすぐあと「これから麻酔の薬が入ります」との言葉を聞いて、1分も経たないうちに意識がなくなった気がする。次に耳に届いたのは「中橋さん、手術は終りましたよ」「今、1時半です」「これから病室に戻ります」だった。でもそれは遠くから聞こえてきていた。ストレッチャーで運ばれる音、ベッドに移され点滴されたのも何となく覚えている。そしてちょうど2時間後に目覚めた。09-12-31

 

全身麻酔への不安は杞憂だった。見事なまでの正確さにただただ感嘆するばかり。手術室は考えているよりずっと広くて金属的な印象を持った。もっと観察したかったのに一段の踏み台から手術台に昇るように言われ自ら横たわる。目の上に円い大きなライトが現れた。テレビでは見たことのあるやつだ。すぐに酸素吸入器が口もとにあてられ「3回大きく深呼吸してください」と言われそれに従う。09-12-30

 

なんといっても一番気になり心配していたのが初めての全身麻酔。手術そのものよりこっちのほうが不安だった。経験者から「何も感じないうちに手術が終ってしまうからすごく楽だよ」と忠告されてもどこかに『もしも、そのまま目が醒めなかったどうしよう』という不安が残っていた。麻酔の説明のときも「万一のとき本人に確認できないので輸血等の同意をお願いします」と言われているし。09-12-29

 

最初は3泊4日のはずが結果的に5泊6日の入院になった。入院生活にも慣れてきて、もう少しそこに浸っていたい気持も湧いてきていた。それでも、今日、自分の意思で自由に行動してみるとやっぱりこっちがいい。日常を自分のリズムで過ごせるのが幸せなのは当り前か。今回の入院と手術では新鮮で貴重な体験を随分たくさんしたので旅のときと同じようにしばらくはこのネタが続きそうだ。09-12-28

 

ついに退院の日。粉雪。血圧は139と75。最後の点滴を終え針を抜く。このとき、入院時に手首に付けた認証リングを切断。朝食後、持ち物の整理をしてバッグに詰める。9時、最後の診察。問題なし。抜糸は1月4日。腫れは少し引いている。痛みは一度も出なかった。先生に感謝を伝える。9時30分、着替えをして同室の人に別 れを告げる。歩きと地下鉄と歩きで6日振りの我家へ帰還。09-12-27

 

晴れ。朝日がきれい。当初は今日退院の予定だったが急いで退院することもないと思い1日延長していた。血圧は137と75。朝食後は点滴と診察。順調。腫れは大きくなったが医師からは小さい方だと言われた。のんびりできるのも今日で最後だからベッドで本を読み続ける。看護士に点滴の針の部分をビニールでカバーしてもらい風呂で体と頭を洗う。スッキリ。夕食後に点滴。寝るまで読書。09-12-26

 

6時10分起床。血圧125、70。随分低いのは安心したせいか。採血。検尿。体重は65.2でほとんど変化なし。多少の腫れはあるけど痛みはまったくない。やわらか食の朝食後、胸と歯のレントゲンを撮る。ベッドに戻って再び血圧を計ってから点滴を30分。10時から処置室で手術痕を診る。異状なし。午後はのんびり過ごす。昼食も夕食もやわらか食。30分の点滴。ずっと痛みなし。09-12-25

 

いよいよ手術の朝を迎える。外は雪。全身麻酔のため昨夜から食べずにいて朝食もなし。7時からは水もなし。ベッドでじっと手術のときを待つ。10時に手術着に着替え500Nの点滴が始まる。頭は紙の帽子をテープで固定され、足にはきつめの靴下を履かされる。11時、医師と看護士とともに手術室へ向う。手術台で麻酔を受け意識が消える。1時半手術終了。病室に戻った2時間後に覚醒。09-12-24

 

6時起床。4人部屋の窓際のベッドなので外の様子がよくわかる。札幌駅の高層ビルは暗闇の中。看護士が血圧を計る。昨日よりは低い。8時朝食。まずまずの味。9時検温。午前中は回診、検査など。手術の詳しい説明や同意書への署名は昨日済んでいる。夜には麻酔の説明も受け署名している。12時昼食。風邪をひいてはいけないので歩き回らずおとなしくしていた。18時夕食。21時消灯。09-12-23

 

朝、10時少し前に受付に到着。リュックにバッグは旅のときと同じスタイルだけど中味が違う。持ち物には着替えのほかに箸やスプーンやバスタオルまでもが入っている。着いた場所は北大病院。奥歯の化膿が親不知にも進んだためその親不知も抜かねばならなくなった。10月の中旬にわかったが緊急性はないとのことで仕事に差し支えのないこの時期を選んだ。565号室での入院が始まる。09-12-22

 

3泊4日のはずが4泊5日に。おかげで明日から行くことになった。これが旅だったら嬉しい変更だけど、ちょっとつらいほうでの延長にがっかり。すでに1ヶ月前に決まってたことだからとっくにあきらめていたとはいえ1日の追加は大きい。そんなわけで5日ほど家を離れる。そんなわけでと言いながらなんの説明もしてないけれど詳しい中味は戻ってからということで。とにかく明日行かねば。09-12-21

 

携帯電話を新しくしてから、予想通り万歩計機能が大活躍してくれている。今までは時計としての役目も果 たしてくれていたが、そこに万歩計の働きも加わった。どのようにして歩数を計っているのか謎だけどポケットに入れておくだけでしっかり計ってくれる。そのうえ、しっかり歩数とそうでないのまで表示されるからますます不思議。しっかりとそうでない歩きの違いはどこにあるのだろう。09-12-20

 

夜の間に15Bほどの積雪。いよいよ本格的な雪が降り今シーズン初めての雪かきをする。この程度ならたいして苦労せずに終えるから運動不足の解消にはちょうどいい。予報ではまだ雪だるまマークが続いているからホワイトクリスマスはまちがいないだろうし、雪のないお正月もなさそうだ。そして、このまま根雪になってしまいそう。ちなみに=根雪=とは=積もり固まって春まで溶けない雪=。09-12-19

 

朝起きて台所に立つと目の前の窓ガラス一面に花が咲いていた。白い大きな花びらがびっしり繋がっている。何とも美しい。かなり冷えたときに現れる氷の結晶が花模様に見える。これこそまさに『真冬の花畑』。寒暖計を覗くと3℃になっている。冷たい空気が作ってくれたプレゼント。夕刊によると今朝の気温はマイナス7℃になっていた。これからこの花畑は華やかさと賑やかさを増していく。09-12-18

 

埃や寒さに対して鼻が敏感に反応するようになってしまった。変化に適応する力の低下だろう。年令が関係しているのはまちがいないから、これからさらに進むと考えるとつらくなる。今日も寒い部屋にある古いものを整理しようとしばらく振りに奥から本や写 真などを取り出し、選別しているうちに鼻がむずかゆくなり鼻水が出てきてしまった。少し前まではもっと鈍感で平気だったはずなのに。09-12-17

 

道内の高校卒業予定者の就職内定率が30.8%だという。この数字がいかに深刻かは反対から見たほうがわかりやすい。つまり、70%もの人達の就職先が決まっていないということになる。これから社会に飛び出そうとしている若者が期待や夢どころか最初に不安や絶望を味わうのはあまりにも切なく悲しい。自分の力を発揮する場さえ与えられないとしたら、いったいどこへ向えばいいのだろう。09-12-16

 

やっぱりというか当然というか来るべきものが来た。もしかしたら雪のないクリスマスかもっともしかしたら雪のないお正月になるのではと思うほどの天気だったのに急に冷えて雪も積もりいきなりツルツル道路に。中途半端な気分は一変して年末モードに切り替わった。さらにその気分を高めるのが銀行からもらってきた来年の1年カレンダーと年賀状作り。新しい年を迎える実感が湧いてくる。09-12-15

 

雪はないが寒さは来ている。だからすでに、寝るときの湯たんぽは欠かせないものになっている。慣れというのは怖いもので一度使ってしまうともうやめられなくなってしまう。火の気のまったくない寒い部屋の布団なのに安心して勢いよく足を伸ばせるのは湯たんぽがあるせい。足許が温かいだけで全身に温もりと安らぎを感じるから有難い。湯たんぽは長い冬を乗り越えるためのストーブのよう。09-12-14

 

1,000円か5,000円か50,000円か。古い携帯電話を渡して使えなくしたら、商品券が当るという応募券をくれた。その抽選を家のパソコンで始める。まず最初に三つの金額からひとつに絞る。少し迷ったがどうせくじ運はないほうだからと大きいのを選ぶ。そして、やっぱりはずれ。そうなってみると、当る確率が高くなる5,000円か1,000円にすればよかったと後悔したりして。09-12-13

 

年末に入るというのに雪ならぬ雨が降る。郵便局で小包を出したあと、そのまま散歩をしょうとしてたのにポツポツと雨が降り始め、雪のためのはずのフードをかぶる。止むどころか強くなりそうなので散歩をあきらめ家に戻ることにした。雪がないから歩くにはとても楽だけど、これだけ降らないといろいろなところに問題が出て来てるに違いない。それなりに降ってくれるのが一番いいのだが。09-12-12

 

簡単な携帯電話を買ったつもりなのにいろいろな機能が付いていて驚かされる。これも技術革新とそれを求める時代の流れなんだろうがその流れは速い。理解できなかったワンセグもインターネット接続もムービーまでもが標準装備されている。そんな中で一番嬉しかったのは万歩計。今までは歩いてる時間はわかっても距離ははっきりしていなかった。これからは張り切り度が増すような気がする。09-12-11

 

3代目の携帯電話。バッテリーの切れがあまりにも早くなったので思いきって新しい携帯を買う。 いろいろな割引きがついて3,000円ほどで買い替えられるのも決断するきっかけに。最近のテレビのニュースなどで『たんすケータイ』(家に保管されている使用済みケータイ)の貴重さを知っていたので2代目は引き取ってもらった。情報は消され、腹に穴を空けられ金属資源へと戻っていった。09-12-10

 

ある事情から定期的に血圧を計る必要に迫られ血圧計を購入。それから10日ほど計測して記録してきたがいくつかのことがわかった。朝は意外に低く、昼に高くなり、夜は朝と昼の中間くらいになる傾向がある。同じ時間でも1回目より2回目、2回目より3回目のほうが低くなる。緊張の度合いによっても随分変化するものだ。医者にそのデータを見せると薬を飲む必要はないと言われ一安心。09-12-9

 

大翔(ひろと)、翔太、蓮、そう太、蒼空(そら)は今年の男の子の名前ベスト5。()がなければ読めない名前が多い。そう太のそうの字は立に風でこのパソコンでは出てこない文字だった。女の子は凛、さくら、陽菜(ひな)、結愛(ゆあ)、結菜(ゆな)の順。こちらも(ゆあ)などは迷ってしまう読み方。その点さくらは異質で意外な感じ。名前には時代の流行があってそれで世代もわかる。09-12-8

 

新幹線の効果。話はまた旅に戻ってしまう。長野から東京間では新幹線をフルに活用させてもらった。そのせいで新幹線を待ち焦がれる気持の一端に触れたような気がした。長野駅発10:22分の列車が上田に着いたのは10分後の33分。上田発14:00は14:20分に軽井沢に到着。軽井沢から東京へは1時間10分。すべてを足しても1時間40分。移動時間が少ないから回れたわけだ。09-12-7

 

雪が降ってこない。だから積雪もない。寒さはそれなりにあるけど雪がないので冬に入る気がしない。雪が待ち遠しいわけではないが冬モードへの変換が中途半端なままになっている。雪があって当り前になって覚悟してしまうと体も気持も落着くものなのだが、雪のない生活はいつまで続くのだろう。こんなことを書くと天が急に大雪を降らせるかもしれない。できるなら徐々に積もってほしい。09-12-6

 

旅の話を書き続けているうちに12月も進み、すでに5日になってしまった。最近の『ひとこと』だけを読んでる人には今も旅をしているように勘違いされそうだが、旅を終えてすでに半月も経っている。これだけたくさん書きたくなるのは刺激的で新鮮な体験をしてきたからで、旅の楽しさはここにある。まだ年も明けてないというのに来年の秋の旅が待ち遠しい。次は青森と弘前が待っている。09-12-5

 

旅の最後の1日の東京も慌ただしく美術館巡り。いつもと同じく、終りが近づく寂しさを感じつつも雨にも負けず精力的に動き回る。今回は5日のうち2日雨に降られたからついてないほうだ。それでも、一昨年の横須賀の台風直撃に比べたら何のことはないし、移動中は多少雨にあたっても美術館内にいる時間がほとんどだから大して問題はない。とは言っても靴は濡れて湿って靴下を買い替える。09-12-4

 

東京の宿は新幹線の着く東京駅近辺を探して神田のビジネスホテルにした。フロントで予約を告げると「もし、冷蔵庫と机なしでいいのならさらに安い4,000円の部屋がありますが」と言われ、即それを選択。ベッドとトイレがあればいい。4,500円でバスタブなしのはずがより簡素に。大浴場はびっくりするほど大きくてなおかつ綺麗で狭いバスタブでシャワーを浴びるよりずっとよかった。09-12-3

 

セゾン美術館に満足した理由はふたつある。まず、感動する作品に出会えたこと、そして美術館内のすべてをたった一人で鑑賞できたこと。とくに気に入ったのはキーファーのベッドとアカバノビッチの背中の作品。これだけでも訪れた価値はあった。そのうえ、それなりの広さのある美術館を一人占めできたのだから特上の幸せ。贅沢で至福のひとときを過ごせた。残念なのは交通 の便が悪いこと。09-12-2

 

普段はあまり乗らないエスカレーターを一気に駆け昇り、乗車券と特急券はすでに買ってあったので改札を小走りで通 り抜け、ホームへの階段を降り始めたとき、列車を待つ人の姿が目に入った。そこで、間に合ったことを知り胸をなで下ろす。ホームに立つと同時に列車が入ってきた。到着時刻で動いていたため発車まで1分の猶予があったけどとてもロッカーからバッグを出してる暇はなかった。09-12-1

 



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NAKAHASHI OSAMU

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