昨年までは、立体構成の『AREA(領域）』のシリーズを続けていた。今回は平面 の作品である。とはいっても単なる平面構成ではない。『黒』と深い『青』の０号から１００号の数えるのが大変、といってもいいほどの多数の作品が、壁面 いっぱいに組み合わされるように展示されている。それが会場に立体感をつくり上げている。
「２００点以上あるでしょう」。その大小の作品が２室に展示されている。タイトルは『UNIT(単位 ）black
&blue』。キャンバスにアクリル絵の具で描いた『黒』と『青』の作品。
１００号の『黒』と『青』が５点交互に並び５００号のコントラストをつくっているかと思えば、０号の『青』が一列に何１０点も並んでいる・・・。
そんな“規則正しさ”とは別に、壁面に『黒』と『青』の大小がアトランダムにびっしり組み合わされ、会場全体がある種の色彩 空間をつくっている作品も。『黒』と『青』のコントラストが一見不規則に見えるが、リズム感があり“響き”を感じさせる。何層にも重ねた色の深さと同時に、これだけの数を描いたエネルギーは評価に値する。

五十嵐恒　　札幌タイムス『ギャラリー』2002年3月5日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　back