UNIT black&blue  2002-2/28-3/5 アートスペース201

 

 

     
●評論
       
平面のインスタレーションです。昨年の立体による個展と色は同じ。アイボリーブラックとブリリアントブルーパープルの2色。それを筆触をのこさないようフラットに、大小のキャンバスに塗ってます。
ただし、キャンバスのへりは、両方とも黒を塗っています。その方が、画面が引き締まるようです。「ほんとは365枚つくるつもりだったけど、200枚くらいしかできなかった」と中橋さん。大きさがバラバラのキャンバスを配置するにあたっては、3人の協力を得たそうです。これだけ枚数があると、いわゆるミニマルアートともちょっと違った感じがしますね。
照明によっても、同じ色がいろいろ違ったふうに見えてきますし。その意味では、もっともシンプルな画面 も、なかなか饒舌であるといえるかもしれません。今回はすべて壁にかけられていますが、なんてったってユニットなので、会場にあわせて、たとえば一部を床に置いたり、重ねたり、そのつど異なった展示が可能です。ひとつひとつのキャンバスは、塗が平坦なこともあって、あたかも複製品のようにも見えます。しかし裏を見ると、ちゃんとシリアル?が付いています。美術作品の希少性に対する批判のようでもあります。
       

梁井朗氏  ホームページ「ほっかいどう あーと だいありー」=つれづれ日録=02年3月2日より          back